オフィスにおける一人当たりの必要面積オフィスにおける一人当たりの必要面積は”2坪で1名”と考えることが多いです。例えば100坪のオフィスであれば、会議室やその他必要スペースもふまえて50名(100坪÷2)の執務室が割としっかり確保できるイメージです。ただし、快適なオフィス空間の基準は企業の働き方や考え方によっても異なります。この基準を参考に余裕のある面積を確実に確保しておく必要があります。参考:事務所衛生基準規則 | e-Gov 法令検索適切なオフィス面積の算出方法オフィス面積の算出方法は主に2つあります。従業員数から算出する計算方法オフィスにおける一人当たりの必要面積と従業員数を掛けて算出するシンプルな方法です。[ 計算式 ] オフィス面積 =オフィスで一人当たり必要な面積 × 従業員数出社率を考慮した計算方法近年のリモートワーク導入状況も踏まえた、「出社率」や「席余裕率」を考慮してオフィス面積を算出する方法です。「席余裕率」とは、スペースに余裕を持たせるための調整値のようなものです。席余裕率を考慮することで、出社率が増えた場合や急な来客対応にも備えることができます。[ 計算式 ] オフィス面積 =オフィスで一人当たり必要な面積 × 従業員数 × 出社率×席余裕率参照:コロナ禍で変わるオフィス面積の捉え方 | ザイマックス総研の研究調査オフィス面積の算出で考慮すべきポイントここではさらに、オフィス面積算出の際に考慮しておきたい4つのポイントについても解説していきます。1.オフィスのゾーニング「ゾーニング」とは、オフィス空間を用途別に区分けし、それぞれのエリアに適した環境を整備することです。各業務スペースの配分は以下のような割合が一般的です。区分一般的な割合執務スペース50-60%会議室・ミーティングスペース15-20%共用スペース10-15%収納・保管スペース5-10%通路10-15%2.通路幅の確保オフィス内の通路幅が狭いと、従業員同士がすれ違う際にぶつかったり、書類や荷物を運ぶ際に邪魔になったりするなど、業務効率の低下や事故のリスクに繋がるため、ある程度の余裕を持った通路幅の確保が必要です。日本オフィス家具協会によれば、主要な通路は最低1.2メートル以上の幅を確保することが推奨されていますが、具体的な数値は建物の規模や用途によって異なるため、設計の際には必ず確認が必要です。参照:地震に備えた安全なオフィスづくり オフィスの地震対策 | JOIFA 日本オフィス家具協会3.オフィスでの業務内容や来客頻度オフィスの面積や設計を考える際には、そこで行われる業務の内容や性質、また来客の頻度なども重要な考慮事項となります。例えば、営業部門などの来客の多い部署は、広い商談スペースの確保が必要な場合があります。また、頻繁に電話対応を行う部署では、周囲への騒音を考慮して、ある程度の間隔を空けてデスクを配置したり、フォンブースを設置したりする必要があるでしょう。オフィスで一人当たりの面積を適正に確保するためにオフィスの一人当たりの面積を無駄なく、適正に確保するためには、以下のような対策も検討する必要があります。ペーパーレスによる保管スペース効率化書類を電子化することで、書類保管のためのスペースを削減し、オフィス面積を有効活用できます。リモートワークなどによる出社率の調整リモートワーク制度を導入することで、オフィスに出社する従業員数を減らし、必要なオフィス面積を縮小できます。共有スペースの有効活用共有スペースを一つの利用目的ではなく、休憩や業務、イベントでも使える多目的スペースとして活用することで、個別のスペースを削減し、オフィス全体を効率的に使用できます。コンパクトで柔軟性高いオフィス家具の活用省スペース設計のデスクや、用途に合わせてレイアウト変更が容易な可動式の家具などを活用することで、限られたスペースを有効に活用できます。また、書類や備品を効率的に収納することができる、収納力が高い家具を選ぶことも重要です。物件を決める前にテストフィットを「テストフィット」とは、実際のオフィス家具の配置などを図面上でシミュレーションし、オフィスのレイアウトや動線を事前に確認することです。テストフィットを行うことで、移転後にスペースが不足したり、レイアウトが使いづらかったりするといった問題を未然に防ぐことができるため、オフィス面積を考えるうえで非常に重要なプロセスといえます。まとめ:オフィス面積を最適化し、快適なオフィスを実現適切なオフィス面積の確保は、企業の生産性や従業員の満足度に大きく影響します。単に法律上の基準を満たすだけでなく、従業員が安全・快適に仕事に取り組むことができるよう、オフィスの一人当たりの適正面積を考慮することが重要です。本記事で紹介した方法も参考に、生産性を向上させる、自社に最適なオフィス環境を実現しましょう。関連記事:【完全版】オフィス移転チェックリスト!事務所移転や会社移転でやることを時系列順に解説関連記事:事務所移転時に必要な各種手続き完全マニュアル!移転の流れに沿って徹底解説