オフィス縮小を取り巻く状況ここ数年、テレワークやリモートワークなどの働き方の多様化が進み、従来のオフィス中心の働き方は大きく変化しています。こういった働き方の多様化は、企業にオフィス環境の見直しを迫ることとなり、オフィス縮小は、その選択肢の一つとして注目されてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行を機に一時加速したオフィスの縮小トレンドは、現在落ち着きを見せています。「アフターコロナ」として企業の働き方がさらに変化する中で、オフィス面積を縮小する動きは2021年春をピークに減少しており、多くの企業がオフィスの増床へと舵を切り始めています。参照:大都市圏オフィス需要調査2024春|ザイマックス不動産総合研究所関連記事:オフィス増床で狭いオフィスから脱却!増床の種類などオフィスの拡張に向けたポイントを解説オフィス縮小のメリット減少傾向にあるオフィス縮小ですが、今後企業がオフィス縮小を行うメリットとしては、以下のような点が挙げられます。オフィスの賃貸コストの削減オフィス縮小の最も大きなメリットは、賃貸コストの削減です。オフィスの賃料は企業にとって大きな固定費の1つであり、また、縮小によって賃料だけでなく光熱費などのランニングコストも削減できるため、結果として、大幅なコスト削減を実現できます。業務の効率化やコミュニケーションの強化オフィス縮小は、従業員の業務効率化やコミュニケーション強化にもつながる可能性があります。現オフィスが広すぎて会議室間の移動時間などが必要以上に発生しやすい環境であったり、従業員間の座席の距離が遠くコミュニケーションが生まれづらい環境であったりする場合、オフィス縮小によってこれらの物理的な距離に関する問題解消につなげることができます。オフィス縮小のデメリットオフィス縮小は、ここまでご紹介をしたようなメリットがある一方で、懸念されるようないくつかのデメリットも存在します。移転・レイアウト変更のコストオフィス縮小に伴い移転が発生する場合には、現オフィスの契約解除費用、新オフィスの契約費用、内装工事費用、引越し費用など、オフィス移転に関する様々な費用を考慮する必要があります。また、移転の伴わないレイアウト変更だけの場合であっても、既存の家具や備品の処分費用が発生する可能性を考慮しなければなりません。従業員のモチベーションやエンゲージメントの低下オフィス環境の変化は、従業員のモチベーションに大きく影響を与える可能性があります。特に、オフィス縮小によって個人のスペースが狭くなったり、リモートワーク増加によるコミュニケーション不足が発生したりなど、慣れない環境で働くことになる場合は、モチベーションの低下を招くリスクがあります。このような状況は、従業員のエンゲージメント低下や離職リスクにもつながるため、特に注意が必要です。オフィスの縮小を成功させるためのポイントデメリットに適切に対処し、戦略的にオフィス縮小を成功させるためには、以下のようなポイントを押さえておくことが大切です。オフィスの縮小の目的設定と従業員への周知まずは、なぜオフィスを縮小するのか、それによってどのような効果を期待するのか、具体的な目的を設定しましょう。同時に、その目的を従業員にしっかりと周知し、理解と協力を得ることが不可欠です。目的が不明確なまま進めてしまうと、従業員の不満や混乱を招き、結果として組織全体にマイナスな影響を与えてしまうことになります。費用対効果の確認オフィス縮小によって削減できるコストと発生するコストを比較検討し、本当にメリットがあるのかを慎重に見極めるようにしましょう。この時、オフィス縮小によって今後の売上へのマイナス影響が無いかなど、中長期の視点でも比較をすることが重要です。適切なオフィススペースの確保とレイアウト設計オフィス縮小では単にスペースを減らすだけでなく、従業員が快適に働けるよう、質の高いオフィス空間を構築することを意識しましょう。従業員数や働き方に合わせたスペースを確保し、過密にならないように注意しつつ、コミュニケーションが取りやすい空間と集中できる空間を、バランス良くレイアウトすることが大切です。関連記事:オフィスで一人当たり必要な面積は?適切なオフィス面積算出方法も解説オフィス縮小後の運用ルール作りオフィス縮小後には、オフィスでの働き方も変化することが多いため、縮小後の働き方に合わせた、適切なルール作りが不可欠です。例えば、オフィス縮小に伴いテレワークを導入・強化する場合、まずは勤怠時間の管理や、業務報告、セキュリティ対策などについてのルールを整備します。これらのルールは、従業員の意見を聞きながら柔軟に定め、運用状況に応じた定期的な見直しも重要となります。戦略的なオフィス縮小を実現された企業様事例ここでは、戦略的なオフィス縮小を実現された実際の事例をご紹介します。[ポジティブ縮小の成功事例ーその①]縮小移転成功の秘訣は”オフィスレイアウト”にありリモートワークの浸透や業務効率化を目指し、オフィスの縮小移転を行う企業の支援を多数行うなかで見えてきたのは、成功のポイントは”オフィスレイアウト”にある、ということです。縮小後のオフィスは、会議スペースやコラボレーションエリアに特化した効率的な設計を採用することで、オフィスの機能を厳選。個別で黙々とこなす作業はリモートワークで行い、会議やミーティングはオフィスで行うという明確な役割ができることで、出社時には従業員同士のコミュニケーションが活性化し、チームの一体感が強まります。そうすることで、オフィスの縮小は単なるスペース削減ではなく、働き方改革の一環として大きな成果をもたらすのです。[ポジティブ縮小の成功事例ーその②]”駅から遠くて広いオフィス”より、”駅チカのコンパクトなオフィス”へ「駅から遠くて広いオフィス」から「駅に近くてコンパクトなオフィス」へ移転したことで、ポジティブ縮小に成功した企業も多数あります。オフィスが駅から近くなることで、通勤の利便性が向上するだけでなく、業務時に外出先から戻る時間を短縮でき、オフィスの活用頻度も向上。これにより、業務の進捗や課題をオフィス内で精度高く共有できるようになったり、コミュニケーションも活性化され、業務推進の効率が一段と高まりました。さらに、オフィスの規模を縮小することで賃料や光熱費を削減し、運営コストの最適化も実現しました。まとめ|オフィス縮小は目的を明確にして戦略的に近年減少傾向にあるオフィス縮小ですが、オフィス縮小の目的を明確にして戦略的に実行することで、不要なコスト削減や業務効率化、コミュニケーション強化などのポジティブな効果も期待できます。オフィス縮小をご検討中の企業様は、ぜひこの記事でご紹介した内容を参考に、効果的なオフィス縮小を実現してください。「スイッチオフィス」では、豊富な移転支援実績をもとに、オフィスの縮小移転に関するご相談も承っております。オフィス縮小をご検討中の企業様は、お気軽に『スイッチオフィス』までお問い合わせください。関連記事:【完全版】オフィス移転チェックリスト!事務所移転や会社移転でやることを時系列順に解説関連記事:事務所移転時に必要な各種手続き完全マニュアル!移転の流れに沿って徹底解説